小さな土ぼこりや金属の粒などの無機物または鉱物性の粉じんの発生する環境で仕事をしている方が,その粉じんを長い年月にわたって大量に吸い込むことで肺の組織が線維化し,硬くなって弾力性を失ってしまった病気をじん肺といいます。
じん肺を発症すると,咳や痰などの息切れから始まり,長い年月をかけて肺がんを発症することもあります。
石炭じん肺
主として炭鉱で働く労働者の方が,石炭の粉じんに曝露(ばくろ)したためにじん肺となりました
石炭じん肺に罹患した場合,肺は黒く変質します。じん肺患者は,肺の機能が著しく低下し,呼吸器をつけなくては日常生活すら困難となってしまう事例が多数存在します。また,大量のたんが出ることも特色で,たんを喉に詰まらせることがないよう,継続的に吸入を行わなくてはなりません。
トンネルじん肺
鉄道や道路のトンネル掘削工事に従事した労働者にも,多数のじん肺が発生しました。
金属じん肺
金属鉱山で働いていた労働者にも,多数のじん肺が発生しました。
アスベストじん肺
アスベスト(石綿)とは,「せきめん」「いしわた」とも呼ばれる天然鉱物です。アスベストは,髪の毛の5000分の1という極めて細い繊維で,熱・摩擦・酸やアルカリなどの薬品にも強く,丈夫で変化しにくいという特性を持っています。また,安価であることから「奇跡の鉱物」とも言われていました。
アスベストは,安価であり,耐火性・断熱性・防音性,耐薬品性という性質を持つことから,私たちの生活のあらゆるところで使用されてきました。
主な用途は,建材製品と石綿工業製品に分けられ,その8割以上は建材製品です。
アスベストに曝露し健康被害を最も受けたのは建設労働者ですが,家庭内曝露(石綿工場に働く夫の作業衣を洗濯することにより曝露を受ける妻や,空になった石綿袋を家に持ち帰り,子どもがそれで遊んだりすることによる曝露),近隣曝露(石綿鉱山および石綿工場の近隣住民の曝露)が報告されています。
このようなことでじん肺で苦しんでおられる方が日本中にたくさんいらっしゃいます。
創設者である横山茂樹弁護士は,1979年(昭和54年)自ら弁護団長となり,じん肺訴訟の全国で初となる”長崎北松じん肺訴訟提訴”を闘い,長い年月の末勝訴しました。
その後も,長崎伊王島じん肺訴訟・長崎筑豊じん肺訴訟・日鉄鉱業じん肺全国訴訟・全国トンネルじん肺訴訟・三菱長崎造船じん肺訴訟と多くの訴訟を提訴し多くの方の救済に貢献して参りました。
現所長の横山巖弁護士(三菱長崎造船じん肺訴訟弁護団長)も先代(実父)の意思を引き継ぎ,「あやまれ,つぐなえ,なくせじん肺」を合い言葉に,「なくせじん肺全国キャラバン」を行っており,現在も全国を飛び回っております。
(長崎市・長崎県医師会要請の報告)より
(建交労長崎県本部)より
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